アルバニア旅行で絶対に欠かせない世界遺産の街「ベラト」。白壁の家が連なる幻想的な街並みは「千の窓の町」として知られ、訪れる人を魅了します。
首都ティラナから約3時間でアクセスできるため、1泊2日の小旅行にも最適です。
本記事では、ティラナからベラトへのアクセス方法、観光モデルコース、絶景スポット、おすすめレストラン、現地グルメ、さらには旅行予算の目安まで、ベラトを楽しむ完全ガイドとしてお使いください!
※2025年6月現在の100LEK=約170円で計算しております。
なぜベラト観光はおすすめなのか?
宗教と文化が調和する歴史ある町
「千の窓を持つ町」と呼ばれるベラトは2008年に世界遺産に登録されました。白壁と大きな窓の伝統家屋が山の斜面に連なる独特な景観が特徴的です。
これらは18~19世紀のオスマン帝国時代に建てられたものですが、ほぼ完全な形で残されているのです。と、いうことは2〜300年前と同じような光景を見られるということです。…タイムワープしたような気分になりますね。
また、ベラトはキリスト教(正教会)とイスラム教が調和して共存してきた歴史的背景があり、街にはモスクも教会もあります。
宗教的対立の多かったバルカン半島においてベラトのように宗教的・文化的多様性が長期にわたり保たれた町は非常に珍しい存在と言えるでしょう。
他にもベラト城の歴史的価値や街全体の統制のとれた美しい街並みが評価をされ、今日の世界遺産に至ります。

こちらはモスク。
治安の良さや旅のしやすさ
ベラトに実際に行って感じたことは治安の良さです。夜10時ごろに出歩いても危険に感じることはありませんでした。
ベラトは人口約6万人ほどの小さな町であり、犯罪が少ないそうです。観光業を主な財源としているため観光客にも寛容で親切な人が多いです。
アルバニアの国自体もヨーロッパの中で比較的治安が良く、特に観光客に対する犯罪は少ないとされています。
また、コンパクトな街なので、1日で主要観光スポットを回り切ることができるのも魅力的です。
1泊2日で巡る!ティラナ発ベラト観光モデルコース
1日目|ティラナ出発 〜旧市街散策と伝統料理の夕食
ベラト行きのバスは午後15時頃の便が最終なので、午前中のうちにティラナを出発しましょう。
ベラトに到着したらホテルへ荷物を置き、早速街散歩へ。ベラトはコンパクトな街なので、着いたその日から観光ができるのが魅力です。
美しい家々を眺めながらカフェでまったりするのも良いでしょう。通りを散歩するのもオススメです。
夕食にはアルバニアの伝統料理がぴったり。ベラトの絶景の中でいただくアルバニア料理は最高です。アルバニア産ワインはお手頃価格かつ日本ではなかなか手に入らないので夕飯のお供に欠かせません!
暗くなってきたらもう一度橋の方へ行ってみてください。ライトアップされた「千の窓」がとても美しいです。

2日目|ベラト城&名所巡り 〜 ティラナへ戻る
朝はホテルの朝食からスタート。ベラトの多くのホテルで提供されているアルバニア家庭料理はボリューミーで朝のエネルギーチャージにぴったりです。
天気が良ければベラト城まで足を運んでみましょう。頂上から絶景を望めます。
ランチはイタリア料理かアルバニア料理がおすすめ。アルバニアはイタリアの海を挟んで向かい側に位置しており、イタリアンが絶品。街の中にはイタリアンレストランがいくつかあるのでピザやパスタに舌鼓を打つのも良いでしょう。
ベラト発、ティラナ行きのバスはベラトバスターミナル15:30発が最終便です。ベラト市内からバスターミナルまではタクシーで15分程かかるので、バスの時間を意識して予定を組み立てましょう。

ティラナからベラトへのアクセス方法【2025年最新版】
ティラナからベラトへのアクセスは少しわかりづらいのでステップに分けて案内します。
Step①:ティラナ中心地 → 南バスターミナル(Terminali i Autobusëve të Jugut)
ローカルバスで行く場合(おすすめ)
- 出発地点:Skanderbeg広場近くのバス停(向かいの国立歴史博物館側)
- 乗るバス:「Kombinat」行き(4番線または13B番線)
- 降車地点:Terminal D
- 目的地の伝え方:「Terminali i Jugut(テルミナリ・イ・ユグット)」
- 所要時間:約20〜30分/料金:約40レク(現金のみ)
- ポイント:バスに乗るとスタッフが運賃を回収しに来ます。その際に目的地を伝えると降りるときに教えてくれます。また、Google Mapを使って「Southern Bus Terminal」で確認しながら乗ると安心です。

黄色のビブスを着た係員が運賃を回収しに来ます。

運賃と引き換えにもらえます。
タクシーで行く場合
- 所要時間:約15分/料金:700〜1,000レク
- 乗車前に「Southern Bus Terminal」と伝えて値段確認を
ティラナ南バスターミナル 場所
ティラナ南バスターミナルはただの駐車場のようにバスが混沌と停まっているだけで売店やトイレがありません。ここに来たらあとはバスに乗るのみ。すべて事前に済ませておきましょう。
空港からSouth and North Albania Bus Terminalまで直行便もあります。
ティラナ中心地行きのバスのスタッフにベラトへ行きたいことを伝えましょう。ティラナ南バスターミナルに着いたらベラト行きのバスまで案内してくれます。
Step②:ティラナ南バスターミナル → ベラトバスターミナル
長距離バス情報
- 所要時間:約2〜3時間
- 運行頻度:朝6:00頃〜夕方まで1時間に1本ほど
- 料金:500レク(乗車時に運転手に直接支払う)
- チケット売り場なし:「Berat」と書かれたバスを探し、乗る前に行き先確認!
注意点
- 乗車前に必ず水分を持ちましょう。バスは途中で休憩がないので、途中で何かを購入することはできません。
- 出発の20分前にはバス停に到着することをお勧めします。乗客が多く、座れない場合は立つことになります。
私が実際に使用した際、行き帰りでバスに大きな差がありました。
行きのバスは小型で定員15名ほど。ティラナからベラトまでは直行でした。所要時間は2時間程度でした。車内の空調は壊れているのかほぼ効かず、大変蒸し暑い車内で危うく熱中症になるところでした…。
帰りのバスは大型で定員30名ほど。ベラトからドゥラス(Durres)を経由してティラナまで向かう経路でした。途中の道で乗客を何度もピックアップしたので、3時間かかりました。それでも車内の空調はしっかり効いており、快適な移動でした。
時間帯によるのか路線が違うバスなのか、なぜこんなにも差があったのかは謎ですが、結局は同じところに向かうので安心して乗車してください。値段も行き帰り同じ500Lです。

行きのバス。空調ほぼなし。暑すぎて辛かった(泣)

帰りのバス。空調も効いており、広い車内。快適!!!

このように行き先がバスの前方に表示されています。
Step③:ベラトバスターミナル → ベラト旧市街(中心部)
ベラトバスターミナル 場所
バスターミナルには売店があるのでここで水分を購入しておくと良いでしょう。

バスターミナル。コンパクトだが売店もトイレもあります。
タクシーの場合(おすすめ)
- 所要時間:約5分/料金:1000〜1500レク
- 宿泊先の名前を見せるとスムーズ
徒歩も可能(荷物が少ない場合)
- 距離:約1.5km(徒歩20分ほど)
- 道は平坦でGoogle Mapに従えば迷いにくい。道がガタガタなのでリュックの人向け。
ベラトのおすすめ観光スポット
ゴリツァ橋とオスマン様式の町並み
オスム川にかかる石造りのゴリツァ橋を渡ると、目の前に広がるのは、斜面に所狭しと並ぶ白壁の家々。「千の窓」と呼ばれる印象的な町並みには心を奪われるものがあります。
このマンガレム地区の風景は、山と川に包まれた自然との調和が美しく、まるで絵画のよう。
特に橋の上から眺める光景は絶景で、多くの人がカメラを向ける人気のフォトスポットになっています。

ベラト城
家屋が連なるマンガレム地区を山のてっぺんまで登った位置にベラト城があります。城と言っても現在は城自体はなく、城壁が残っています。下から登るとベラト城まで徒歩約20〜30分。斜面がきついので足腰に自信のない方はタクシーで上がるのが良いかもしれません。
頂上にはお土産屋さんやレストランもあり、想像以上に賑わっています。またアルバニア美術史の重要絵画が展示されているオヌフリ美術館があります。

城はなく、城壁のみ。城壁に登れますが結構高いので足元注意!

入り口にはお土産屋さんがずらり。

途中にも所々お土産屋さんあり。

ベラト城までの道の勾配がきついです。
旧市街の通り散策
オスム川の南側のマンガレム地区にある「Bulevardi Republika(共和国通り)」沿い、特にLulishtja公園のすぐ東側の並木道沿いに、地元の人気カフェが並んでいます。
ゆったりと散歩したり、カフェのテラス席でまったりするのがおすすめです。

カフェが立ち並びます。

ぐで犬たち(笑)

モスクがいくつかありました。
地元グルメを味わおう!ベラトのおすすめレストラン
アルバニア料理はどことなく家庭的な味わいで安心する味わいです。特にベラトではアルバニア料理を食べられるお店が多いです。ここでは実際に訪れたお店を2店舗紹介します。
Eni Traditional Food Berat|絶景テラスで伝統料理
テラス席だとゴリツァ橋と千の窓の美しい景色を見ながら食事ができます。アルバニアの伝統料理を提供するお店です。
アルバニアのレストランはGoogleマップに口コミを依頼する風習があるのか全体的にレビューの星が高いです。
2人で頼んだものは、ナスの詰め物(Stuffed eggplant)・ピーマンの詰め物(Stuffed peppers)・ホームパイです。ナスが特に美味!ホームパイはほうれん草とチーズ入りで絶対に美味しい組み合わせでした。

飲み物にはワインとフレッシュジュースを頼みました。グラスワインは150レクですが、グラスいっぱいに注がれて1杯で十分な量でした。フレッシュジュースにはいろいろな果物が使われていてとても美味しかったです。

たっぷりで1杯で酔っ払いになれました。
手作りのジャムや漬物の販売もあり、こだわり感じるお店でした。
Restaurant Kapllani|暖炉のある店内とコスパの良さが魅力
暖炉のある店内で置き物が可愛らしく印象的でした。

ご飯はボリューミーでコスパが良いです。こちらもアルバニア料理のお店です。
頼んだのはスープとピラフとビール。ベラトの5月は汗ばむ暑さなのでお昼のビールが身体に染み渡ります…!

ピラフには野菜も添えられていて茶碗1.5杯分ほどの量で300レク。一人では多いのでシェアがおすすめです。スープは250レクでした。大満足!!

スープもたっぷり。レモンを絞っていただきます。

ボリューミーです。
絶対立ち寄りたい!パティスリーのアイスクリーム
私がベラト滞在中2日間連続で訪れた製菓店「Pasticeri Tori Berat」のアイスクリームがとっても美味しくてリーズナブルなので、是非訪れてみてください。
お気に入りの味は「ドバイチョコレート」。サクサクのカダイフと濃厚なチョコレートで日本では出会えないお味でした。

どれも美味しそう〜!100LEK(170円ほど)でリーズナブル。

こちらはピスタチオ。濃厚です〜
おすすめホテルと宿泊先の選び方
ベラトのホテルの多くは伝統家屋でできており、外観はもちろん室内もとても可愛い!「千の窓」の一部である伝統家屋に泊まるだけでもベラトに来る価値があると思うほど絶対に宿泊をオススメしたいベラトのホテル選びをご紹介!
宿選びの3つのポイント
実際に訪れて感じたホテル選びで押さえておきたいポイントと準備についてご紹介します。
1. 石畳の町なので、「斜面下のエリア」に泊まるのがおすすめ
ベラトの旧市街は坂道+石畳。特にキャリーケースを引いて移動する場合、斜面の上の宿に泊まると大変です。川沿いや下町エリアのホテルを選ぶとスムーズにアクセスできます。

どうしても上の方の宿に泊まりたい場合は、荷物運びを手伝ってくれるか事前に確認しておくのがベスト。お迎えに来てくれる宿もあります!

全体的に石畳+坂でキャリーケースでの移動が大変。
2. 到着時間は事前に伝えておこう
家族経営の宿が多く、スタッフが常駐していないことも。チェックインがスムーズになるように到着予定時刻を連絡しておくのがおすすめです。
3. 手作りの朝ごはんが魅力
多くの宿では、家庭的な朝食が提供されます。新鮮なチーズや自家製ジャム、地元のパンなどアルバニアらしい料理を味わえるのは小さなホテルならではです。 宿選びの際は「朝食付き」に注目してみてください。
対岸ビューを楽しめる「ゴリツァ地区」がおすすめ
個人的におすすめなのが、お城がない側(ゴリツァ地区)の宿。
観光客が比較的少なく静かで、対岸に広がる歴史的な白い街並みを眺められる絶好のロケーションが魅力です。
宿泊レビュー|Taraca Gorica Hotel
私が宿泊したのはTaraca Gorica Hotel。ゴリツァ地区にあるホテルです。

このホテルのおすすめポイントは「部屋が可愛い」・「対岸の絶景が見られる」・「朝ご飯がたっぷりで美味しい」ところです。

石畳を10分ほど歩くので到着時間を事前に伝えて手伝ってもらうのが良さそうです。下から自力で15kgのキャリーケースを運んだ私は手に豆ができました。
美味しい朝食。驚くほどボリューミー。朝からお腹いっぱいです。

奥のデニッシュがアルバニア料理のパイ。中にチーズが入っています。かなりヘビー。

はちみつが有名なアルバニア。果物にたっぷりはちみつがかかっていました。これで2人分…。多。
ベラト旅の予算と費用の目安
1泊2日のベラト旅にかかった費用
かかった金額は3人で合計約18,000レク。一人当たり10,000円ほどで非常にリーズナブルです。
- ホテル:54ユーロ(5300レク)朝食付き、3人分
- 食事(夜・昼・おやつ):3000レク/人 一食1200レク程。
- バス(往復):1000レク/人
- タクシー(往復):2500レク/台 行き1000レク・帰り1500レク(配車依頼したため高い)。
食事・交通費の目安
レストランは1食あたり800〜1200レク程度でした。ワイン1杯150〜250レク。メイン料理は野菜系だと一皿500〜700レク。肉系だと700〜1000レク程度です。
ベラトはコンパクトな街なので歩きで十分観光できます。交通費はティラナ↔︎ベラトの長距離バスおよびバスターミナルまでのタクシー代のみかかりました。
両替とカード事情の注意点
ベラトではカード決済できるお店が非常に少ないです。必ず現金を持ち歩きましょう。
ベラトでは両替所が見当たりませんでした。そのため、現金を得るにはATMでキャッシングする必要があります。キャッシングできるカードがない方はティラナ市内で両替してからベラトへ向かいましょう。ティラナには日本円で両替できるところがいくつかありました。
また、アルバニアではユーロも使えます。ただしお店によってはレートが非常に悪いので、レクを入手しておくと良いでしょう。経由するヨーロッパでユーロを多めに入手しておくと万が一のときに使えるので安心できると思います。
また、ホテルは事前にネット予約していても現地決算のところが多いです。ベラトは多くのホテルが個人が経営の小さなホテルです。カードが使えないところが多いので、ホテル代の両替も忘れずに。
旅のベストシーズンと持ち物のポイント
おすすめの時期
ベストシーズンは5〜6月または9〜10月と言われています。
私が訪れたGWの時期5月初旬は半袖1枚でちょうど良い気候で快適に旅行ができました。
アルバニアは日本からの直行便がないのでヨーロッパの他の国を経由して訪れることになりますが、経由国に滞在する時間も考えると、GWがある方は長期休みを活用するのがおすすめです。
5月初旬でも日中は汗ばむ日差しだったので、暑さが苦手な方は4月、11月頃に訪れるのが良さそうです。
また、海のベストシーズンは7〜8月です。海沿いリゾートを楽しみたい方はこの時期に訪れると良いでしょう。
旅行に役立つ持ち物リスト
アルバニアは日差しが強いので対策必須です!ここでは普段の旅行の持ち物に加えて、特にアルバニア・ベラト旅に必須の持ち物をご紹介します。
- ユーロ
- キャッシング可能なカード
- 歩きやすい靴(石畳や坂道が多く歩きづらい!)
- カーディガン
- サングラス・帽子・日焼け止め
- スリッパ(宿泊用)
まとめ
ベラトに到着した瞬間、あまりにも美しい景色にうっとりしたことが忘れられません。
次のヨーロッパ旅行計画の際にアルバニアのベラトを追加してみるのはいかがでしょうか?
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